昨今、パートやアルバイトの他に「契約社員」という言葉をよく耳にします。東京都の調査によると、契約社員の雇用率は前回の18.5%から33.2%へと大きく伸びています。 その理由としては、不況の影響で固定費を圧縮したい企業にとって便利であるからと思われますが、一口に契約社員といっても、たとえば、雇用期間を定めて雇用する者、請負契約や業務委託の社員も契約社員と呼ぶこともあります。また、派遣社員が正社員になる過程で契約社員として業務を評価される期間の場合もあります。 「契約社員」の特徴は? 契約社員の特徴としては、以下のような事項があげられます。 ・雇用期間の定めがある。 ・賃金の決定は、本人と会社との間で、そのときの需給関係や能力に応じて個別になされる。 ・原則として就労時間は、(パートと違って)正社員と同じである。 ・一定の能力や業績の維持が求められる。 ・業務に習熟しており、改めて教育の必要がない。 「契約社員」と「正社員」との違い 賃金:正社員の賃金規定によらず、会社の賃金体系の中に組み込まれていません。当然、定期昇給もありません。 就労:就労の管理は、原則として就業規則などの会社の内規が適用されます。ただし、特別の就労内容であるときは、別の規定で管理されることもあります。(在宅勤務など) 社員としての拘束:たとえば就労時間外の兼業や、兼職の禁止といった規定は守秘義務に違反しない限り適用されないことも多いようです。一方では、転勤もなく、退職金もありません。 契約社員との雇用契約上のポイント 契約社員を雇用する際は、「雇用社員契約書」を個別に作成して、雇用条件を決める必要があります。契約社員との雇用契約上のポイントは以下の通りです。 「業務内容」、「就労場所」、「所定労働時間および就労時刻」、「休日・休暇」についてはもちろんのこと、以下の事項もきちんと取り決めます。 賃金:基本給の他、割増賃金の対象となる手当、通勤手当など。賃金の支払日もきちんと決めます。 退職・解雇:退職および解雇の場合の要件について、たとえば以下のように取り決めておきます。 退職の場合 @雇用契約が満了し、更新されないとき。 A本人が退職を申し出て会社が承認したとき、または申し出た日から14日を経過した日。 B本人が死亡したとき。 なお、退職の場合少なくとも14日前までに会社に届け出なければならない。 解雇の場合 @心身の故障により業務に耐えられないと認められたとき。 A勤務状態が不良で業務に著しく不適当と認められたとき。 B連続○日以上の無断欠勤があったとき。 Cこの契約にしばしば、もしくは重大な違反があったとき。 D業務の縮小、合理化などやむを得ない事情があったとき。 なお、解雇にあたっては、本条第C号の場合を除き、30日前に予告するか30日分の平均賃金を支払う。 社会労働保険:雇用保険や健康保険、厚生年金について、契約社員であっても以下のような人は加入対象となります。 雇用保険 @一般被保険者 :週 所定労働時間が30時間以上。 A短時間被保険者:週 所定労働時間が20時間以上30時間未満。 なお就労時間が正社員より短い場合には雇用期間1年以上の見込みの対象者。 健康保険・厚生年金 常用的使用関係にある場合で、その事業場において同種の業務に従事する通常の就労者の所定労働時間および所定労働日数の3/4以上である者が適用対象。 職務専念・守秘義務 「就労時間内は業務に専念しなければならない」、「業務上知り得た機密を他に漏らしてはならない」といった事項は必ず契約書に記載します。 法令・正社員就業規則の適用 「契約社員契約に定めていない事項については法令を適用する」、「正社員就業規則における服務規程、懲戒処分の事項を準用する場合がある」といったことも記載しておく必要があります。
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