八木健弌税理士事務所
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改正消費税法の再確認 -2005年10月25日

 平成15年度の税制改正で消費税の免税点が3千万円から1千万円に引き下げられました。これに伴い、個人の課税事業者も大幅に増加することが予想されます。事業者の初歩的なミスがないか、この時期に最後の確認をしておきましょう。
 
「課税事業者届出書」
消費税の課税事業者となった場合、真っ先に注意しなければならないのは、消費税課税事業者届出書を所轄の税務署へ提出したかどうか。基準期間(個人であれば前々年)の課税売上高が1千万円超になったとき、「速やかに提出」とされていて、明確な時期が定められているわけではないので、見落とされるケースがあるのだ。
 
「簡易課税制度選択届出書」
自分が消費税を申告しなければならないと認識した事業者は、次に消費税をどう計算するかを考えなければならない。
課税事業者が納付する消費税額は、本来は課税期間の課税売上にかかる消費税額から、課税仕入れなどにかかる消費税額を控除した金額となる(本則課税)。
しかし、中小事業者の事務負担軽減のため、実際の仕入額に含まれる税額を計算せず、売上に対する税額に一定のみなし仕入率を掛け合わせた金額を仕入に含まれる税額とみなすことができる簡易課税制度が設けられている。
この簡易課税制度も、平成15年度改正で適用できる課税売上高が2億円から5千万円に引き下げられている。
原則は本則課税のため、新たに課税事業者となったものでも、何もしなければ本則課税が適用される。事業者が簡易課税制度を選択するには、「簡易課税制度選択届出書」を提出しなければならない。この提出期限は、通常は「選択しようとする課税期間の初日の前日まで」となっている。つまり、平成17年分で適用を受けようと考えていたら、本来ならば昨年12月31日までに提出していなければならなかった。
しかし、今回の大幅な課税事業者の発生から経過措置が設けられ、新規に課税事業者になったものに関しては今年の12月31日までに選択届出書を提出すれば、17年分についても簡易課税制度の適用が可能となっている。
 
簡易課税は、消費税の計算が簡単というメリットがある一方、受け取った消費税より支払った消費税が多かった場合(多額の設備投資などをした場合など)に受けられる還付が認められていない。簡易課税は一度選択すると事業を廃止した場合を除き、2年以上続けないと適用を取りやめることができないことにも注意が必要だ。
今回改正ではこの点でも、年内に限っては一度提出した選択届出書を撤回できる特例措置も用意されている。
 
「以前に簡易課税制度を選択」
改正前の免税点3千万円での課税事業者がその当時、簡易課税制度を選択、その後売上の減少などで免税事業者となっていたが、今回の免税点引き下げで再び課税事業者となった場合。この場合には、簡易課税制度選択届出書を提出しなくても簡易課税が適用される。本則課税を適用したいと考えている場合には、17年分については16年12月31日まで、18年分については今年中に「簡易課税制度不適用届出書」を税務署へ提出する必要がある。
 
「本則課税の適用」
本則課税を適用して、最も重要となるのは帳簿や請求書の保存だ。
課税仕入れなどの事実を記録した「帳簿」と「請求書など」の両方の保存がないときには、仕入や経費の支払いの際の消費税を控除することができない。このため、帳簿の記載と請求書などの保存について十分な配慮が必要となる。内容でも注意しなければならない。
帳簿は「相手先の氏名又は名称、取引の年月日、資産の譲渡又は役務の提供の内容、取引の金額」がもれなく書いてあるか、請求書などでは「書類の作成者の氏名又は名称、取引年月日、資産の譲渡又は役務の提供の内容、取引の金額、書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称」が書いてあるか注意しなければならない。
 
改正法で120万とも130万ともいわれる課税事業者が個人で発生すると言われている。大幅に増大する事業者は、これまで消費税とは無縁だったものが大半。当初は自分が課税事業者となったことさえ知らない事業者も多かったようだ。新規事業者の申告は来年となるが、申告書の提出が無ければ事業者は無申告となり、場合によっては無申告加算税などが課されることとなる。

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