同族会社の主宰役員給与の給与所得控除相当額の損金不算入について [第三者に株式を保有させる特殊支配同族会社逃れは要注意!] [経済的合理性等の理由がない場合には、行為計算否認規定も] 今回の改正の趣旨は、家族経営的な中小企業の経営上、とくに役員の報酬額決定が経営成績と無関係に行われている場合における税務上の不均衡を是正することにある。役員が自らの報酬を多額にした結果として会社が損失を出しているような場合には、法人税法上の税負担を不当に逃れていると考えるというものである。 10%超の株式を第三者が保有していること等により経営者の報酬額決定に一定の規制が働いていると判断されるような場合は、特殊支配同族会社には該当しなくなる。 ここで、第三者にあらかじめ10%超の株式を移転させるという対応策が考えられるわけだが、その議決権の行使において経営者に白紙委任するような者であった場合には、その趣旨から株式の移転が認められない可能性があると考えられる。 業務主宰役員とは、文字通り会社の業務を主になって決定する実質的権限を持った役員一名が該当する。特殊支配同族会社に該当する企業(業務主宰役員とその親族・関連会社が90%以上の株式を持ち、常勤役員の過半数を占める会社。ただし「基準所得金額」の額により除外有り)においては、その計算上、業務主宰役員の報酬額の給与所得控除相当額を企業所得に加算して税額の計算が行われることになる。 単純計算で業務主宰役員が月額50万円、年間600万円の報酬を得ていた場合、法人所得が174万円増え、実効税率を43%とした場合、75万円の税負担増となるから、その影響は少なくないと言えるだろう。 業務主宰役員の給与の一部が損金不算入となることを契機として、業務主宰役員(例えば代表取締役である夫)の給与を減額し、(業務主宰役員と同族関係にある)他の役員(例えば代表者の妻)の給与の増額を行うことが考えられるが、これも一種の脱法行為(過小・過大な役員報酬)と認定される恐れが高いと考えられる。
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