役員報酬の改正の続報3 平成19年度税制改正を含む 役員報酬の損金算入についての続報です。 T 定期同額給与 一月以下の一定の期間ごとに毎回同額が支払われる給与:いわゆる毎月の給与です。 「毎回同額」の許容範囲についての詳細が明らかになってきました。 1.こんな場合は「同額」といえる? ・家賃や保険料、利息などを含むため、厳密に毎月同額ではない場合 →「継続的に」、「毎月の支給額がおおむね一定」であればOK ・会社の分割・合併があったが、実質的な職務内容に変化なし →支給額の総額に変化がなければOK ・不祥事等により、「一定期間 減棒」等の処分があった場合 →「企業運営上、または社会的評価への影響上、やむを得ない処分」であり、 「処分の内容が社会通念上相当のもの」である場合、「減額改定」があったとは みなされず、支給金額が損金に算入できる。 ・父親が急逝し、息子が急遽代表取締役になったため、報酬月額を増額改定した →やむを得ない事情による分掌変更であり、その職務内容の急激な変化と、それに相応する 給与額の変更であるならばOK 2.「改定」が認められるためには? ・原則:期首から3ヶ月以内に改定し、その前後の支給額が一定 3月決算だとして、5月20日の定時株主総会で6月末支給分より増額の改定を決定 〜5月までは毎月40万円、6月からは毎月50万円で一定 ただし 遡及して支給した分はNG 上記の場合、4月から上げたものとみなして6月支給額を70万円、7月以降50万円 とした場合、遡及分20万円は損金算入不可 ・3月を経過した後に増額・減額があった場合 例1:1〜6ヶ月目まで40万円 7〜12ヶ月目まで50万円とした場合 →7〜12ヶ月目までの「+10万円」分が損金不算入 =損金算入できるのは12ヶ月×40万円
例2:1〜6ヶ月目まで40万円 7〜12ヶ月目まで30万円とした場合 →1〜6ヶ月目までの「+10万円」分が損金不算入 =損金算入できるのは12ヶ月×30万円 ・「経営の著しい悪化」があった場合は期首から3ヶ月を過ぎた場合でも減額改定は可 ただし、「著しい悪化」に限ります。 一時的な資金繰りのためや、単に目標を下回った、という場合には認められません。 主要な取引先の倒産や、大事故の発生など、期首時点で予想もつかないような事態が 発生した場合に限るようです。 U 事前確定届出給与 事前に「支給時期」「支給金額」を定め、その定めに基づいて支給される役員給与です。 これにより、役員への「賞与」も損金算入することができるようになりました。 ただし、一定の事項を記載した届出書を、事前に税務署に提出することが必要となります。 ・届出の期限:18年度においては、「役員の職務執行開始日」又は「期首より3ヶ月以内」 のいずれか早い日 とされていました。 職務執行開始日とは、原則として定時株主総会直後ということになりますので、3月決算で 定時総会が5月20日に開催されたとすると、届出の期限も5月20日ということになります。 しかし、これでは書類を作成する時間がとれないため、「職務を開始する日」を 「6月1日から」と定め、(定時総会日の翌月初めなど近接した日であれば認められる) その日までに届け出れば認められるということのようです。 また、これから始まる「職務の執行の対価」としての支払を「あらかじめ定めたもの」 なので、前年度分の利益処分的なものとして5〜6月に支払われるような役員賞与である場合は 認められない可能性があります。 この場合、「盆暮れなど、従業員への賞与の支給時期と同じ時期」に支給され、 「毎期継続して同時期に支給している」場合には認められる可能性があります。 ・19年4月1日以降に開始する年度以降については 「届出の期限」は、「定時総会の決議日から1ヶ月以内」「期首から4ヶ月」 のいずれか早い日となりました。 同族会社以外の法人では、定期給与を受けていない役員に支給する給与 (非常勤役員に対し、年1〜4回程度で支給する場合)は、事前確定の届出は不要とされました。 |