八木健弌税理士事務所
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会社が被災した取引先等を支援する場合の税務 -2011年05月06日

 通常、法人が得意先や仕入先などの慶弔等に際して見舞金等を贈ると交際費等になりますが、震災等で被災した取引先等への支援を行った場合には、それらの費用は、税務上、損金(経費)にすることが認められています。


<被災した取引先への支援の例>

(1)災害見舞金等を贈る。
(2)事業用資産を供与する。
(3)売掛金等を免除する。
(4)低利や無利息で融資する。
(5)復旧支援のために従業員を派遣する。
(6)救援物資として自社製品等を贈る。

※ただし、いずれも災害発生後相当の期間内(災害を受けた取引先が通常の営業活動を再開するための
 復旧過程にある期間)に限ります。





ケース@ 災害見舞金等を贈ったとき


 災害により通常の営業ができなくなった取引先に対して、被災前の取引関係の維持や回復を目的に、復旧支援のために災害見舞金等を贈った場合、その費用は、全額が損金(経費)になります。
 災害見舞金は、取引先を救済することで、自社が被る損失を回避するために費用と考えれるからです。


 注:議事録等を忘れずに
 災害見舞金等を贈る場合には、支出の目的、取引先、金額等について取締役会議事録や稟議書等を作成して残しておきましょう。



●従業員等に災害見舞金等を支給したとき
 法人が、災害により被害を受けた自社の従業員等やその親族等に対して、一定の基準に従って支給した見舞いのための金品は、福利厚生費として損金になります。
 また、法人が、自社の従業員等と同等の事情にある専属下請先の従業員等やその親族等に対しての見舞金等も同様です。


●災害見舞金に充てるために同業団体等へ分担金等を拠出する場合 
 災害見舞金に充てるために自社が所属する同業団体等に拠出する分担金は損金になります。
 ただし、その同業団体等の規約等に基づいた合理的な基準にしたがって、賦課されたものでなければなりません。





ケースA 事業用資産を贈ったとき


 災害見舞金と同様に、事業用資産を供与する場合も損金になります。
 この場合の事業用資産は、法人が製造した製品や他から購入した物品であっても、それが取引先の事業に利用されるものや、被災した取引先の従業員等の福利厚生の一環として使われるものであれば良いとされています(ただし、取引先の従業員個人に対すものは、交際費に該当します)。
 また、自社の製品等を取り扱っている小売業者等に対して、被害にあった商品を無償で新品に交換したり、補てんした場合も同様に損金にすることができます。




ケースB 売掛金等を免除したとき


 災害を受けた得意先等の取引先の復旧を支援するために売掛金、貸付金等の債権を免除した場合(債権を放棄した場合)、その免除による損失は損金にすることができます(寄付金または交際費等には該当しません)。
 また、すでに契約で定められたリース料、貸付利息、割賦代金について、減免を行うなど従前の取引条件を変更する場合や、災害発生後に新たに行う取引について従前の取引条件を変更する場合も同様に取り扱われます。

 注:「得意先等の取引先」とは?

 
 得意先のほか、仕入先、下請工場、特約店、代理店などが該当します。商社等を通じた取引であっても、実質的にはその納入先と価格交渉等を直接行っているような場合には、取引先に含まれます。




ケースC 低利や無利息で融資したとき


 被災した取引先の復旧支援を目的として低利や無利息で融資を行った場合には、本来受け取るべき利息と、実際に受け取った利息との差額は、損金(経費)にすることができます。
 ただし、正常な取引条件によって行われた融資でなければなりません。





ケースD 復旧支援のために従業員を派遣したとき


 被災した取引先の復旧、後片づけ、整理を応援するために自社の従業員を派遣した場合にも、派遣のためにかかった費用は損金になります。




ケースE 被災地に自社製品等を救援物資として贈った場合


 例えば、食品や衣料品メーカーなどが、多数の被災者のために自社製品を救援物資として被災地に贈るような場合には、経費にすることが認められています。

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